ハーブ辞典
健康茶の役目も果たすハーブ。抗アレルギー、血流改善、血眼精疲労改善、血コレステロール値の改善、血抗ウイルスなど、健康管理をサポートする効果・効能をもったハーブをご紹介します。
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アイブライト
ヨーロッパに自生するハーブで、英語名のアイブライト(目の輝き)の通り、古くから目の健康のために使われて来ました。ハーブティ、目の湿布として外用、などで使われます。アイブライトの学名:Euphrasia officinalis(エウプラシアオフィキナリス)の属名Euphrasia(エウプラシア)は、ギリシャ神話の三美神Three Graces(カリテス)の一人、歓喜の女神エウプロシュネ〔euphrosyne〕に由来するといわれます。種小名officinalis(オフィキナリス)は「薬用/薬効のある」という意味です。
ハーブティ
身体の中の余分な熱を排出するというような、デトックスにつながる働きが期待できます。風邪や花粉症などのアレルギー症状からくる目のかゆみを鎮め、鼻水や、のどの炎症も軽減するといわれます。軽い苦味があり、素朴な味わいのティです。
- 抗炎症/抗アレルギー/収れん
赤ブドウ
赤ワインに含まれるポリフェノールが、生活習慣病の予防・改善に役立つという事は広く知られていますが、近年、ワインの原料である赤ブドウの葉には、それより多くのポリフェノールが含まれているという事がわかりました。赤ブドウの葉は、ヨーロッパのワイン農家では、古くから健康茶として飲まれていたそうです。赤ブドウの葉にはポリフェノールと有機酸が豊富に含まれています。アントシアン色素が濃縮されていて、眼精疲労の改善にも役立つともいわれます。また、活性酸素のダメージを抑えるのでアンチエイジングにも効果的です。
ハーブティ
ほのかなブドウの風味で軽い渋みがあり、コクのあるおいしさです。ティは赤みがかった薄い色ですが、レモン汁などの酸を加えると、ピンク色に発色します。目の疲れやすい人、肩こりのしやすい人、生活習慣病の気になる人が日常的に飲めるマイルドな作用のティです。
- 血管保護/血流改善/
眼精疲労改善/
コレステロール値の改善
エキナセア
エキナセアは、北米原産のキク科の植物で、華やかな紫ピンク系の花を咲かせるハーブです。 北アメリカの先住民は古くから、重要な"万能薬"としてきました。先住民は、歯痛、のどの痛み、風邪、伝染病などの治療、解毒に、根をかみ砕いてその汁を利用するなどの方法で使っていたそうです。近年の研究では、エキナセアは免疫系を刺激して、疲労などで体の防御機能が低下した際にかかりやすい、風邪や感染症を予防し、かかった際も治りを早くするとされています。外用としても、皮膚病や傷の回復力を高めると考えられています。抗アレルギー作用も注目されています。今後ますます研究が進められ、新たな効能が発見されることが期待されているハーブです。
ハーブティ
エキナセアハーブティは舌をぴりっと刺激する独特の味があり、単独ではティとして飲みにくいハーブです。茎葉をティにする場合もありますが、根の薬効が高いため、なるべく根を使用しているものを選びましょう。他のハーブティにブレンドして、風邪や感染症予防に利用するといいでしょう。
*キク科植物にアレルギーのある人は注意。8週間以上の連続使用を避けましょう。
- 免疫賊活護/リンパ系の強壮護/
抗ウイルス護/抗菌護/
抗真菌護/創傷治癒護/消炎
エルダー
エルダーはエジプト文明の頃から利用されてきた歴史の古いハーブ。ヨーロッパでは「田舎の薬箱」と呼ばれて親しまれてきたそうです。ハーブとして利用されるのは花と果実の部分です。晩春から初夏の短い時期に咲くため、乾燥花やコーディアル(シロップ)の状態で使われる事がほとんどです。クリーム色の小花が集まって咲く花には、マスカットのような爽やかな香りがあります。発汗、利尿、抗アレルギーなどの作用が知られています。
ハーブティ
発汗・利尿作用があることから、風邪のひき始めに飲むといいティとして知られて
います。抗アレルギー作用から、花粉症の予防や改善にも用いられます。
ティはマスカットのような甘い香りで、深みのある風味。長めに蒸らして(約7分)いれましょう。 *葉は有毒なので飲用できません。
- 発汗/利尿/抗アレルギー/鎮痙
オリーブ
地中海海沿岸の樹として象徴的なオリーブ。紀元前3世紀頃から栽培されていたといわれ、ギリシャ神話や伝説にも数多く登場します。果実はピクルスに加工される一方、絞ってオリーブオイルが採られます。オリーブオイルは、オレイン酸の豊富なヘルシーな油として料理に使われるほか、石けんの原料やスキンケア化粧品に配合されます。葉にも抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に利用されます。穏下作用も知られています。
ハーブティ
葉のティに血糖値を下げる作用があるということから、食後の急激な血糖値の上昇を避けるために飲むのもいいでしょう。抗菌・抗ウィルス作用を生かして、インフルエンザやヘルペスなどの感染症の予防に飲まれることもあります。かすかな苦味と渋みがあり、淡白ながらコクのあるおいしいさです。 *血圧を下げる作用があるとされるので、血圧降下剤を飲んでいる人、低血圧の人は注意しましょう。
- 抗酸化/利尿/緩下/抗菌/
抗ウイルス/血圧降下
桑の葉
桑の原産地は中国北部から朝鮮半島といわれています。日本には3世紀頃、葉を飼料とする蚕とともに伝えられました。葉は薄くつやのある緑色で、甘酸っぱくて生食でもおいしい果実は初夏に熟します。桑の葉には、ミネラル成分、毛細血管を強くするフラボノイド類などを含みます。カルシウムは牛乳の27倍、鉄は小松菜の15倍、デトックス作用のある亜鉛も豊富です。桑葉にはデオキシノジリマイシン(DNJ)が含まれています。DNJ はブドウ糖の類似物質で、小腸で糖の吸収を抑制する作用を持つことから、血糖値の上昇が抑制されます。
ハーブティ
桑の葉のハーブティには、乾燥させただけのものと、焙煎したものがあります。ビタミンCは無焙煎の方が多く含まれているそうですが、焙煎したものの香ばしさも、捨てがたいおいしさです。血糖値の上昇を抑制するためには、食前、食事中に桑の葉茶を飲むのが効果的と考えられています。
- 血糖調整/降血圧/利尿/
抗コレステロール
サラシア
サラシアは常緑のつる性植物で、熱帯地域に分布し、アーユルヴェーダではピッタ、カパという2つのドーシャの働きを抑制して糖尿病に有効であると伝承されてきました。インドやスリランカでは本植物の太い根や茎をくり抜いて作ったコップに水を入れて毎日のむことで糖尿病予防や初期治療が行われていました。
近年の研究で、サラシアに含まれるサラシノールという成分は糖の分解を阻害し、糖の吸収をブロックすることで、血糖値の上昇を抑えるため、食事で得た余分な糖質が体内で脂肪に姿を変えることを防ぐと言われています。
また、分解されなかった糖は腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えていくので腸内環境を整えるサポートにも役立ちます。
ハーブティ
風味はウッディで少しクセのある香りです。茎や根の固い部位を主に使用するので、熱湯で、7分〜10分と少し長めに抽出します。
- 糖吸収抑制/肥満予防/便通促進
ジンジャー
ショウガは熱帯アジア原産のハーブで、古代から医療に役立てられてきました。ショウガに含まれる辛味成分「ジンゲロール」は乾燥させたり、熱を加えたりすることで「ショウガオール」に変化します。芯からカラダをあたため、脂肪燃焼効果を期待する場合は、乾燥もしくは加熱したショウガの摂取がよいとされています。
ハーブティ
目的に合わせて、生ショウガもしくは、乾燥ショウガを利用します。エネルギー消費量を増大したい場合は午前中の飲用が、消化促進させたい場合は食後の飲用がおすすめです。
- 消化促進/脂肪燃焼/血流促進/
発汗/吐き気止め/胆汁分泌
スペアミント(スゥイートミント)
すっきりとした香りが特徴的なミント類。葉と花の爽やかな香りと風味を生かし、料理や菓子のアクセントに使われます。フレッシュな生の葉が特に好まれるハーブです。
品種によって葉の色や形、香りが多少異なりますが、どの種類にも消化促進と腸内ガスを減らす作用があります。ハーブティには、生葉と乾燥葉、それぞれのおいしさがあります。
スペアミントはペパーミントと比べてマイルドな清涼感で、甘みが強く、独特の風味があります。
ハーブティ
心を明るくするような香りとほっとする風味で、リフレッシュが期待できるハーブティです。
ペパーミントよりも作用は弱まりますが、食後のティ、風邪やアレルギーの症状を緩和するのに役立つでしょう。
- 賦活/健胃/消化促進/駆風/発汗
セージ
古くから健康に役立つハーブとして知られるセージ。語源は、ラテン語で「救う」という意味の言葉とされています。セージと呼ばれる植物には、鑑賞用のものも含め、たくさんの種類がありますが、薬用やお料理ハーブとして使われるのは、コモンセージです。
ハーブティ
コモンセージの葉のティは神経と消化器官の強壮になるといわれます。風邪のひきはじめや、更年期のほてり、月経不順にも。ティはまた、のどの痛みや口内炎のうがい薬にもなります。
*妊娠中のティの飲用を避けてください。
- 抗菌/抗真菌/抗ウイルス/収れん/
発汗抑制/母乳分泌抑制/抗酸化/血行促進/ホルモン様
ダンデリオン
日本ではタンポポというかわいい名で親しまれる、春を告げる野草です。ヨーロッパでは古くから、生葉のジュースや乾燥葉のティ、乾燥根を煎ったタンポポコーヒーなど、薬用ハーブとしての利用が盛んです。主として、葉には利尿作用、根には肝臓強化作用が知られています。中国の漢方でも欠かせない生薬のひとつです。近年では、雑種が幅を利かせていますが、どの種類も同様に利用できます。農薬などの汚染が心配な場合は、庭やプランターで育てるといいでしょう。
ハーブティ
肝臓強化や消化を助ける作用が知られるダンデリオンのティ。穏やかにお通じをつけたり、利尿の作用も期待できます。
*胆のうなどに特別な疾患のある人は避けましょう(タンポポコーヒーも同様)。
- 強肝/利胆/緩下/利尿/浄血/
毒素排泄/催乳
ネトル(西洋イラクサ)
ネトルはヨーロッパに自生し、古くから使われて来たハーブ。葉は、フラボノイド、クロロフィル、鉄分、葉酸、ビタミンCなどの成分を含みます。利尿作用や消炎作用があり、血液を浄化するといわれます。また、強壮作用から疲労回復にも役立つとも。最近では花粉症などのアレルギー症状を予防・改善するハーブとして、一般にも知られるようになって来ました。造血作用があり、貧血の改善にも用いられます。
ハーブティ
利尿作用があることから、体内の老廃物や尿酸を排出するデトックスのティとして利用されます。花粉症の予防に利用する場合は、症状の始まる数ヶ月前から飲み始めるといいでしょう。スタミナがない人の体質改善にも飲まれます。少し長めに7分ほどおいて飲みましょう。
- 消炎/鎮静/利尿/尿酸排泄促進/
浄血/造血/抗アレルギー
ユーカリ
オーストラリアの森林の80%近くを占めるといわれるユーカリは、コアラの食物としても有名。ユーカリは500種以上ありますが、コアラの食べる種類は30種類程に限られるそうです。オーストラリアの先住民族アボリジニも古くから葉を傷の薬として用いてきました。
葉はアロマセラピーで使われる他、数々の外用薬品(筋肉の軟膏・パップ剤・風邪の外用塗布剤など)やスキンケアの化粧品、シャンプー、清掃用の洗剤・ワックスなどに利用されます。日本には明治時代に導入され、現在ではタスマニアンブルーガムとも呼ばれるEucalyptus globulus種が多く見られます。
ハーブティ
独特の香りと風味ですが、飲んだあとは爽やかな気分に。咳、気管支炎、カタルの症状をやわらげるとされます。デトックス作用も注目されています。ティ用のユーカリの葉を使ってください。 *作用が強いため多量の使用を避け、妊娠中、特別な疾患がある場合は避けましょう。
- 殺菌/鎮痙/解熱/去痰/抗カタル/
抗ウイルス
ワイルドストロベリー(野イチゴ)
ヨーロッパでかつて広く栽培されていたワイルドストロベリー。食用イチゴのオランダイチゴの1/5から1/10程度の大きさですが、真っ赤に実った果実は素晴らしい香りで、甘みも酸味も強くおいしい。ビタミンCとポリフェノールが豊富な果実はジャムにすることが多く、ケーキやパイ、果実酒にもされます。タンニンやビタミンCを含み、腎臓や肝臓を健康に保つための、デトックスハーブとして知られています。
ハーブティ
収れん作用があり、神経性の下痢にいいとされます。利尿作用があるため、泌尿器系の症状の改善を期待して飲まれます。作用が穏やかなので、腎臓や肝臓の浄化ティとして飲むのもいいでしょう。うがい剤としても使えます。ティは、穏やかで懐かしいような優しい味です。
*葉は、しおれて行く過程で軽い毒性を生じるので、ティには、カラカラに乾燥させた葉を用いましょう。 *ティ用の乾燥葉なら安心してお飲みいただけます。
- 収れん/利尿/緩下/強肝/浄化/
創傷治癒